IT業界の転職において重要なのは希望条件を明確にすることです。
希望条件が明確にならないと話の軸がブレてしまい、面接時や入社後にミスマッチを覚え長く続かないパターンがあるためです。
今回は希望条件に優先順位をつけ、明確にする手法をお伝えします。
(前回の記事:IT系転職活動で重要なコト13選 から派生した内容になります)
給与
給与は生活を支えるための重要な要素です。希望する給与額を設定し、自分のスキルや経験に対して市場でどの程度の給与が相場なのかをリサーチしましょう。ご自身の給与相場のリサーチは、転職サイトの求人を見て「これなら自分にできるな」という仕事内容の給与を確認するのが手っ取り早いです。
給与相場が判ったら次は希望給与額です。今のスキルに見合う希望給与額をしっかりとイメージしておきましょう。
勤務地
勤務地は生活の質に直結する要素です。通勤時間が短いとストレスが減り、ワークライフバランスが向上します。勤務地を優先する場合、自宅から近い場所や住みたい地域に位置する企業を選ぶと良いでしょう。
コロナによりリモートワークに取り組む企業も増えましたが、いつフル出社状況に切り替わるかもわからないためリモートワークメインで選ぶのは避けた方が良いでしょう。理想は1時間以内で通勤できる範囲です。
1時間以上かかる場合は引っ越しを視野に入れて考えます。企業によっては引っ越し代をすべて負担してくれるケースもありますので、引っ越し可能であればその点も考慮して検討しましょう。
仕事内容
仕事内容はキャリアの満足度に大きく影響します。自分が興味を持ち、スキルを活かせる仕事を選ぶことで、仕事に対するモチベーションが維持しやすくなります。よって、仕事内容は妥協しすぎず吟味してください。
「自分はこれぐらいしかできないから」とネガティブに考える必要はありません。
「これがやりたい」と気持ちを強く持ち挑んでください。もしスキル不足であれば毎日30分スキルアップに取り組むなど、前向きな姿勢も忘れずに。
時間が取れる方であれば”0円スクール”などを利用してみるのも良いと思います。
勤務時間
勤務時間はワークライフバランスに直結します。自分が望む勤務時間や働き方を明確にしましょう。例えば、フレックスタイム制やリモートワーク、時短勤務など、自分に合った働き方を提供している企業を選ぶと良いでしょう。
一般的には1日8時間労働する企業が多いですが、探せば実働7時間半など通常よりも短い勤務時間を提示している企業もあります。仮に1日30分労働時間が短いと、単純計算で毎月10時間も労働時間が少なくて済みます。
みなし残業の落とし穴
最近では”みなし残業40時間”という企業も多く見受けられるようになりましたが、ここは注意が必要です。みなし残業とは、簡単にいうと残業代を内包しているという意味です。
例えば、次の給与はどちらがお得かわかりますか?1日7時間半、1ヶ月180時間の労働とします。
- 基本給:30万円(みなし残業40時間分を含む)
- 基本給:27万円(残業代は別途支給)
実は上記場合においては2の方が給与は上になります。試算してみましょう。
① 7.5(時間) × 20(日) = 150(時間):1ヶ月の基本労働時間
② 180(時間) - 150(時間) = 30(時間):残業時間
③ 270,000(基本給) ÷ 20(日) ÷ 7.5(時間) = 1,800(円):時給
④ 30(時間) × 1,800(円) = 54,000(円):残業代
⑤ 270,000(基本給) + 54,000(円) = 324,000(円):総支給
ただし、みなし残業が優位になる場合もあります。もうお分かりと思いますが、残業が無いケースです。残念ながらぼくの知る限りではみなし残業が付いて実際に残業が無い会社は聞いたことも見たこともありませんが。
さらに言うと「みなし残業代分は仕事をするように」と、残業を半強制的にやらせる企業も多いです。
優先順位の付け方
自己分析を行う:まず、自己分析を行い、自分にとって何が最も重要かを明確にします。例えば、家族との時間を大切にしたい場合は、勤務時間や勤務地を優先するかもしれません。
現状と目標を比較する:現在の状況と将来の目標を比較し、優先順位を決めます。例えば、キャリアアップを目指している場合は、仕事内容や給与を優先することが考えられます。
トレードオフを理解する:どの条件も完璧に満たす求人は少ないため、どの条件に妥協できるかを考えます。例えば、高給与を求める場合は、勤務地や勤務時間に妥協する必要があるかもしれません。
市場調査を行う:求人情報を調査し、自分の希望条件に合った求人がどの程度あるかを確認します。これにより、現実的な希望条件を設定することができます。
まとめ
希望条件を明確にするためには、給与、勤務地、仕事内容、勤務時間について優先順位を付けることが重要です。自己分析を行い、自分にとって何が最も重要かを明確にした上で、市場調査を行い、現実的な希望条件を設定しましょう。これにより、自分に合った求人を見つけやすくなり、転職活動をスムーズに進めることができます。